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あ~不愉快だ。イライラする。 

結局、作戦は失敗したあげくに、あんな子供まで巻き込むなんて。それもこれも全部あの馬鹿のせいだ!!

大体なんで私がこんな目にあわなきゃならないんだ。あのナルシス野郎! 私にこんな任務を押し付けやがって。


「他のメンバーじゃ抑えれないだろうからさ。君にしか頼めないんだよ」


いつものあの軽薄そうに喋るリーダーの姿が一瞬脳裏に浮かび少し殺意が沸く。


「おい」


どうやってあのナルシス野郎を殺そうかと、10個ぐらい案を考えた所で声がかかった。声をかけてきた方を見ると馬鹿が立っていた。

私が馬鹿の顔をにら……見ると、普段と少し様子が違う。

何故か少し顔がひきつっているような気がするが、何かあったのだろうか?


「何だ?」


私がいつも通りやさしく声をかけてやると、今度は顔が青ざめたような気がする。


「い……いや、こっちの連中との連絡事項も終わったんで。俺達が帰るための手配はどうなっているのかなと思ったんだが」

(こいつは何を言っているのだろう?)

「私はお前が連れてきたあの子の面倒をみなきゃいけないんで、帰りの手配はお前の仕事だろ」


微笑を浮かべつつ、そうやさしく言ってやる。


「そ……そうだったな」


返事を返すと黒づくめの格好で暑いのか額に汗が浮かばせながら慌てて部屋の外に飛び出しっていった。

リーダーを殺す手段として、30個の案の内どれが一番成功率が高いか頭脳労働をしている所にあいつは戻ってきた。

少し憔悴気味の顔をしているような気がするが、多分気のせいだな。


「手配は終わったのか?」

「ああ、なんとかレシ……飛行機をチャーターできた。 明日の朝ここを出よう」

(………………少し気にかかる部分があったような気がするが)

とりあえずお腹もすいたので、馬鹿は放って置いて食堂のお世話になりにいく。食堂で美味いシチューに舌鼓をうっているところに、他の席で食事をしている連中の会話によれば他の地域のレジスタンスメンバーの連中の大半は小型ジェット機やクルーザーをチャーターして同じように明日帰るようだ。

食事後、やる事もないのでシャワーを浴びて就寝しようと毛布に潜り込む。

そういえば私の犬の世話はちゃんとやってくれているのだろうか?「任せといてよ~」と軽い言葉でリーダーが引き受けたのだが少々心配だ。

何せ私の大事な家族なのだから。

そう言えば、あの子と話をして聞いたのだが、あの子も両親が死亡しており家族はいないそうだ。

「家族」か。 半分眠りながらボーッとした思考の中で考える。

あの子と違って…………私にはまだ「家族」と言えるものがある分、幸せなのかもしれないな。

思考が完全に闇に閉ざされる寸前に犬の姿と、何故か黒づくめの無愛想な表情を浮かべた男の姿が脳裏に浮かびそのまま思考は闇に閉ざされた。   

次の日、シンがチャーターした飛行機の前で「いかにレシプロ機が素晴らしいか」を語るオヤジの声を右から左に流しながら新たにリーダーの殺害方法を考えだしていた。やはりコンセプトは、いかに苦しめて殺すかだな。

今度は50ぐらい手段が思いつきそうだ。何せ、時間だけはたっぷりありそうだしな………………